熊本城は熊本の街のシンボルともいえる存在です。
その熊本城は、2016年の4月14日に起こった熊本地震で被災しました。
被害は大きく、天守閣をはじめとして櫓や石垣の多くが破損しました。
その後、熊本城は復興のための工事が行われていましたが、天守閣の復旧工事がようやく終わり、2021年6月28日に特別公開が始まりましたので行ってきました。
特別見学通路から天守閣へ


南口券売所にてチケットを購入して、天守閣へ向かいます。
天守閣へは、震災後に設置された特別見学通路を通って向かいます。
通路からは震災で石垣が崩れたままの状態で、修復を待っている数寄屋丸を見ることができます。

本丸御殿下の 闇(くらが)り通路をくぐります。
闇り通路は震災での被害がみられず、全国的にも珍しい地下通路となっています。

天守閣の中へ

闇り通路をくぐると、天守閣が現れます。
天守閣は今回の復旧工事で随分と綺麗になっていました。


天守閣への入口は、小天守側の地階にあります。
小天守の入口を入ると、そこはかつては台所として使われていたスペース。
今でも残っている井戸を見ることができます。
のぞいてみると結構な深さがあり、ちょっとビビりました。

熊本城を復旧するにあたって、最新の免震構造が採用されています。
こちらは『クロスダンパー』と呼ばれるもので、施工した大林組の独自技術。
ブレーキダンパーの主材に穴を開けて、オイルダンパーを貫通させることで、省スペース化を実現しているそうです。

天守閣 1F 加藤時代


地階から階段を登って1Fへ。
1Fでは加藤清正による新城の築城から、忠広までの加藤時代についての展示がされています。
熊本城の前身『隈本城』の始まりから、熊本城が現在の姿に至るまでの歴史を知ることができます。
現在の熊本城の基礎を築いた加藤清正についての紹介が多くされていました。
肖像画が展示されていたのですが、こんな感じの方だったのですね。


天守閣内には、昭和35年に熊本城を復元させるにあたって使われた模型が展示されていました。
縮尺は1/10で高さは3mはあり、模型とはいえ立派なものとなっています。
この模型を作ることで、忠実な外観復元ができたそうです。
加藤清正は、熊本城を築くと同時に、熊本の城下町も整備しました。
その整備の様子を、プロジェクションマッピングを使って説明されていました。
現在も熊本市内を流れる白川は、かつては蛇行して街を分断していたのですが、真っ直ぐになるように工事がされ、現在の姿になったそうです。

天守閣 2F 細川時代
2Fは細川家が治めた時代についての展示になります。
加藤家が改易された後に、細川忠利が熊本藩主となりました。
細川忠利は、熊本城の修理や城下町の整備を進めました。

細川忠利の招きで剣豪 宮本武蔵が熊本に来たのもこの頃になります。


天守閣 3F 近代


3Fは近代についての展示がされています。
明治10年には西南戦争の舞台となりました。
谷干城率いる鎮台兵が籠城して、西郷隆盛率いる薩摩軍からの猛攻に耐えたことから、熊本城が難攻不落の堅城であることが実証されました。
しかしながら、攻防のなかで天守閣や本丸御殿を焼失しています。
天守閣 4F 現代


4Fは現代についての展示がされています。
1960年に大天守・小天守が再建され、写真で当時の工事の様子を知ることができます。
天守閣 6F



6Fは展望フロアとなっています。
展望フロアからは熊本市街はもとより、遠く阿蘇の山々の眺望まで望むことができます。
また、『熊本城公式アプリ』をインストールすると、ARの機能により現在の風景に古写真を重ねた眺望を楽しむことができます。
まとめ
熊本地震で甚大な被害を受けた熊本城。
その被害から完全に復旧するには20年はかかるそうです。
一度崩れた石垣を、ひとつひとつ元の場所に積んでいく作業は、考えただけでも気が遠くなります。
そんな中、今回の天守閣の復活は、完全復旧に向けての大きな一歩だと感じました。
震災から復旧していく熊本城の姿を観れるのは今しかありません。
少しづつではありますが着実に復旧していく熊本城を見に行って応援しましょう!
コメント